7月16日、青山TEPIAホールにて「2010人を育てる科学セミナー 」
“企業人材育成入門 OJT維新 職場における能力開発を科学的に
見直す”を開催しました。
毎年大好評をいただいている本セミナーも今年で4年目。
『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)の東京大学大学総合教育センター 中原淳准教授、熊本大学大学院教授システム学専攻 北村 士朗准教授を講師に迎え、企業内人材育成に関する諸理論、最新の学術的研究成果を学ぶことができます。
といっても、単なる知識獲得型のセミナーではありません。グループディスカッションなどを交えたワークショップを通して、他社の人材育成担当者との意見交換、情報交換するなかで、各自が所属する組織、職場の人材育成や能力開発の「あり方」や「やり方」を見直すことを目的としています。
参加者は人事・教育担当者、マネージャーなど約60名。皆さん、席につくやいなや、同じグループ内で名刺交換をスタート。他社の人材育成担当者とのネットワークづくりもまたセミナーの目的のひとつです。
今回のセミナーでの新しい試みは、ツイッターによるセミナー実況中継。セミナー後、目を通していただければ、1日を振り返ることができます。こちらにつぶやきをまとめましたので、ぜひご覧ください。
前半は、中原先生による「企業人材育成のトレンド」と「現場で人が育つメカニズム」について。途中で、グループディスカッションやレゴを使ったワークショップを交え、参加者は自社の人材育成の課題について振り返ります。
ランチタイムには、別会場にてネットワークパーティが行われ、参加者同士や
講師との交流の場となりました↓
後半は北村先生による「部下後輩の育成を見直す」。勘と経験と努力頼みの“OJT”を改めるため、様々な学習理論ともに理論に基づいたOJTの進め方を紹介。最後は、受講者それぞれが、これからの人材育成部門の役割について、自社の人材育成のあり方について考えをまとめました。
様々な学術的理論を学びつつ、ワークショップで自社の人材育成について振り返って考え、話し合うことで、各々の組織の人材育成について「学び、考える」1日となったのではないでしょうか。
【参加者からは、このような声をいただきました!】
●人材育成の考え方を違う視点で考えられた。
●「業績向上のための手段が人材育成である」というのが気づきです。
●いろいろな方とお話しをするなかで、視点の切り替えもできた。
●人材育成と業績の関係は非常に参考になった。
●グループ内討議でいろいろアドバイス、ヒントあって有益。
●いろいろな企業の人を話すことができ、新鮮でした。
●話しを聞いているなかでモヤモヤしていた課題にヒラメキ(アクション)が
生まれたことが良かった。
●同じテーブルになった方がバラバラだったので、企業規模の違いによる
課題から「目からウロコ」の視点が得られた。
最後に、講師をしてくださった中原先生、北村先生から一言ずつ頂きましたので、ご紹介します。
★中原先生からは、職場における能力開発について一言… 仕事に関する知識を詰め込むだけでは、それを
仕事に活かすことはできません。 「できるかも
しれないけど、できないかもしれない人」に、
ストレッチした仕事の課題、“背伸びの経験”を
あげること。そして、仕事の後に振り返りの機会
を持つこと。また、育成は職場のメンバー全員で
担うこと。職場での人材育成の要諦は、人が
経験から学ぶメカニズム、“経験学習”を機能
させることに尽きます。
★北村先生からは「OJT維新メッセージ」をいただきました… ・「教える」から「学ばせる」に意識を変えよう!
手取り足とりだけが育成ではない。
「学ぶこと」=「仕事をすること」、
育成と業務は一体と考えるべし。
・学べる環境を整えよう!
「指導」はなすべきことのほんの一部に過ぎ
ない。
・人材育成部門は「人材育成」を頼むな!
現場には、「業績向上の手段としての人材育成」
を薦めよ。
・勘と経験と努力だけの“OJT”は終わりにしよう!
理論も用いて効率的・効果的・魅力的なOJTを構築すべし。
ダイヤモンド社人材開発編集部では、これからも「人材育成担当者が人材育成について学び、考える」機会をご提供できるようなセミナーを企画してまいりますので、ぜひともご期待ください。
なお、セミナー中に中原先生からご紹介があった現場における人材の成長と学びの環境を「見える化」するツール、「現場の学び診断システムWPL」については、こちらをご覧ください。