大好評をいただいている本セミナーも、今回でなんと6年目。
今年も、人材育成担当者のバイブル、『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)の東京大学大学総合教育センター 中原 淳准教授、熊本大学大学院教授社会文化科学研究科北村 士朗准教授を講師に迎え、企業内人材育成に関する諸理論および最新の学術的研究成果を学びます。

本セミナーでは、企業内人材育成を考えるうえで押さえておきたい基本的な知識を得ると同時に、グループディスカッションなどを交えたワークショップを通して、各自が所属する組織、職場の人材育成や能力開発の「あり方」や「やり方」を見直すことを目的としています。

参加者は全国各地から集まった人事・教育担当者、マネジャーの方々約50名。なかには毎年、参加者を送り込んでくださる企業もあります。まずは、テーブル毎に自己紹介から。参加者同士、話し合う機会が多いのも、このセミナーの特徴です。

  午前の部は、中原先生が担当。「なぜ今、人材育成が経営課題になっているのか」について、職場自体の変化、雇用慣行の変化や、失敗を許容しない風土など、いくつかの仮説を紹介。その後、「現場で人が育つメカニズム」について、人材開発の理論を解説。「経験学習」「内省」「職場における他者からの支援」さらには「中途採用者の適応」など、押さえておきたい諸理論から最新の知見まで、中原先生が分かりやすくレクチャー。グループディスカッションやレゴを使ったワークショップでは、参加者は自社の人材育成の課題について対話し、振り返りました。

 ランチタイムは、ランチを取りながらネットワークパーティ。参加者同士や講師との交流の場となりました。他社の人材育成担当者とのネットワークづくりもこのセミナーの目的のひとつです。

 午後の部は北村先生による「若手育成の実践」。まずは参加者同士、自社の人材育成についての問題や課題について話し合います。参加者からは、「そもそも人材育成という概念がない」「言われたことしかできず、創意工夫ができない」「中途採用の人材育成ができていない」「OJTを行う側の中堅が育っていない」など、様々な課題が挙げられました。「職場で学べなくなった」と言われるようになって久しい職場でのOJT。北村先生は、人事・人材育成部門にできることについて、

1、人事制度を整備する
2、マネジャーに部下育成の動機づけをする
3、マネジャーにツールを提供する
4、現場での人材育成を支援する

の4項目を提案。「マネジャーに部下育成の動機づけをする」ことについては、「部下の育成は自分の部署の業績向上の手段である」という意味づけを与えることがポイントだと話します。「マネジャーにツールを提供する」では、「ストレッチ&フィードバック」「熟達の5段階モデル」「ARCS動機づけモデル」「シェイピング」「認知的徒弟制」「経験学習モデル」など部下指導の考え方を、様々な具体的事例を交えてわかりやすく解説。折々にはさみこまれたディスカッションでは、参加者は、職場での人材育成の課題について、また、自社の人材育成のあり方について話し合いました。

 

人材育成についての学術的な理論背景を知ることは、企業が直面するさまざまな人材育成課題について考える際、問題を整理し、解決の糸口を探るための大きな助けになります。また、ワークショップやグループディスカッションを通して、他社の状況を知ることは、自社の人材育成を改めて振り返って考える良い機会となります。ご参加くださった方々からは、次のような声をいただきました。

・人材育成の制度・しくみをこれから構築していくうえで非常に参考になる考え方でした。
・マネージャー部門の育成について具体的な対策が聞けたので非常に参考になりました。
・経営と人事の接点がより明確になったように思います。
・感覚が、理論で説明できるようになり、足りない点もわかった。
・他社の事例、悩みなど話を伺えたことで、気持ちが楽になった。
・現場の重要性を再確認。自らもマネジャーとしても考えさせられるとともに、具体的なツールや理論が理解できた。
・社内で取り組んでいるバラバラの取り組みが理論によって概念化することの重要性が理解できた。
・イノベーション人材の育成を課題としていたので、ご解説いただき助かりました。
・これまで人材育成は業務と別次元で考えていただので、「人材育成は業績向上手段である」という点が収穫でした。