1月26日(木)、27日(金)の2日間に渡って、第9期「研修開発ラボ」が行われました。研修開発ラボは、『研修開発入門』(東京大学 大学総合教育研究センター準教授 中原淳著・ダイヤモンド社刊)に基づき、各企業の人事担当者、教育担当者様が自社の経営上の課題を踏まえて研修、開発、実施、評価できるようになるための学びの場。著者である中原淳氏監修の2日間の特別講座です。

 

関根先生 (2)

メインファシリテータは研修講師としての経験豊富なラーンウェル代表 関根雅泰氏。サブファシリテータはラーンウェルの鈴木英智佳氏そして研修内製化に詳しい講師ビジョン(株)の島村公俊氏。渋谷の石山記念ホールのセミナールームで、自社の研修をいかに「経営に資する研修」にするかを、2日間かけ突き詰めて考え学んでいきます。ご参加いただいたのは、メーカー、サービス、各種団体など、様々な組織で人材育成に取り組んでいらっしゃる6名の方々です。今回は、「技術者育成のための研修をつくりたい」「若手社員の定着を図るための研修を開発したい」など、かなり具体的なニーズを持った参加者が集まり、いつにもまして熱の入った2日間となりました。

 

島村先生

研修開発ラボ1日目は「研修企画」と「研修設計」の基本について学びます。午前は「研修とはなにか」「研修で解決できる問題はなにか」といった研修の大前提について考えていきます。研修を企画するにあたって、どのように「研修ニーズ分析」や「対象者分析」を行うのか、各自、事前課題として行った自社ケースを他の参加者とシェアし、対話しつつ、理解を深めていきます。午後は「研修設計」の基本として、研修ゴールの設定方法や研修の効果測定などを学びます。研修で学んだことを現場に持ち帰り実践する「研修転移」については、最新の研究知見と他社事例を交えて関根氏から詳しい解説がありました。

鈴木先生 (1)

1日目の最後には参加者と講師とがお酒を片手に語り合うネットワークパーティが開かれます。「研修開発ラボ」では、研修中のお弁当やパーティの食べ物も、学びの場づくりの一部であると位置づけて、毎回さまざまな工夫を凝らしています。今回は酉年ということで「飛翔」をテーマにした鶏料理の他、熱々のおでんも並びました。飲み物はワインや焼酎、日本酒が供され、参加者と講師とが、各社の人材開発について語り合う時間となりました。また、日本だじゃれ活用協会代表理事でもある講師、鈴木氏の指導のもと、「ダジャレPK戦」も開催され、お酒が進むにつれ、参加者の方々からも名だじゃれが飛び出し和やかな会となりました。

 

おでん

2日目も「研修設計」を行いますが、より具体的な研修設計方法を学びます。午前中のセッションでは、研修設計「7つの原理」のポイントを押さえつつ、各社の課題、ニーズに合わせてどのように研修を組み立てていくのか、実際に研修の設計を行っていきます。午後は午前中に学んだ研修設計の基本を押さえつつ、実際に研修の全体像のプランを立ててみるという、「ラボ」ならではの実験セッションが行われました。様々な企業から集まった人材育成担当者がフィードバックしあったり、講師らに相談したりすることで、様々な気づきが生まれたようです。

 

午後は中原淳氏との個別コンサルティングの時間が設けられ、参加者は、一人ひとり質問、相談ごとを持って、中原氏のいる別室、通称「中原部屋」へ。一人30分間、各社の研修設計に関して、中原氏から直接コンサルテーションが受けられるという贅沢なセッションです。その間、他の参加者は講師らのアドバイスを受けつつ、それぞれの自社ケースに関する研修設計を組み立てていきます。

 

中原先生

最後は事務局が撮影した2日間のセミナーの様子を映像で振り返る「リフレクションムービー」の上映が行われ、参加者は静かに2日間を振り返り、個々に職場に戻ってから実践したいことを言葉にまとめて終了となりました。2日間の研修開発ラボを終えて、参加者の方々からは、「中長期的な視野をもって、人材育成を考えることの大切さを学んだ」「研修前後の課題やアンケートなどをしっかりと行って、研修効果を高められるようにしたい」「経営層とどんな人材を育成したいのかといったことをじっくりと話してから研修体系を考えたい」といった声が聞かれ、自社の人材開発に生かすための具体的なヒントが得られたようです。