6月27日、青山TEPIAホールにて北海道大学大学院経済学研究科教授 松尾睦先生による講演&ワークショップが行われました。テーマは、「社員が成長し続けるための仕組み作り~経験学習の実践とOJT~」。雨天にもかかわらず、50 名以上の人材育成担当者の方々にご参加いただきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAまずは松尾先生によるご講演から。経験学習についてのご著書『職場が生きる人が育つ「経験学習」入門』もある松尾睦先生が経験学習論の研究に携わることとなったのは、大学卒業後に医薬品会社にMRとして務めた経験がきっかけだったそうです。

営業成績が上がらず、ノルマも未達、なぜ売れないのだろう…と悩んだことをきっかけに、大学院で「売れる営業はどうやって売っているのか」を研究。その後、「そもそも優れた営業マンはどう育つのか」を研究するようになり、どうやら「経験から学んでいるらしい」ということがわかり、経験学習の研究にたどり着いたとのことです。

そんな松尾先生の講義、まずは「具体的経験」→「内省」→「持論化」→「新しい状況への応用」という経験学習サイクルについて。その他、成長を促す経験とはどんな経験か、経験から学ぶ力とは…、など、経験学習論のベースとなる考え方をしっかりと解説。途中、お隣の人との短い対話タイムをはさみ、チェックリストなどを使って参加者が自身の仕事について振り返る機会も設けられています。

松尾先生によると、職場で経験学習を促進するにあたって一番ネックになるのが、「内省、振り返り」がきちんとなされないことだそうです。そこで今回は「内省、振り返り」を促す仕組み作りのポイントをレクチャーしていただきました。

 「内省、振り返り」を促すためには、日々のルーティンの中に組み込むような仕組み作りが効果的とのこと。「毎朝30分のミーティングをワイガヤ方式で行っている」「毎朝20分の朝礼で1日何をするかを宣言する」といった事例の紹介がありました。その際、単にミーティングや朝礼を行うだけでなく、話しやすい雰囲気作りや、会議の進め方が重要だとのことです。

また、「経験学習を促す仕組み作り」として、経験学習を促進するワークシートを開発した企業の事例や、経験学習を取り入れた新人研修の事例などを紹介。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAその後のワークショップでは、事前に受検していたDLL(OJT診断システム)の結果を元に、参加者自ら指導方法についてリフレクションを行い、エピソードを共有する、といったOJTワークショップを体験。参加者の方々には、経験学習を職場に、あるいは人事施策としてどのように取り入れていけばよいのか、参考になる事例やそのポイントを理解いただけたかと思います。

参加者の方々からはこんな感想をいただきました。

具体的な事例、ワークショップでの参加者のエピソードに大変共感できた。
事例をもとにお話しいただきとてもわかりやすく、経験学習に対する理解が深まりました
さまざまな職種の方と情報を共有でき、有益でした。
気づきのきっかけとなりました。ケースは違うが原因などは同じで共感を持てたのも心強い。
グループワークでいろいろな意見を聞けて参考になりました。
感覚的にとらえていたOJTが体系的に理解できたので、非常に有意義だった。
リフレクションができて、自分の課題がわかった。日々の振り返りを考えて実行したいと思います。
OJTが機能しなくなっているなかで、いかに活性化していくか、現状の課題と改善へのヒントをいただけました。
具体的な事例とともに、枠組みを示していただいたことで自社に置き換えて考えることができました。すぐに実践してみます。