5月27日、青山TEPIAホールにて吉野聡産業医事務所代表、新宿ゲートウェイクリニック院長 医学博士・法務博士 吉野 聡氏による講演会が行われました。テーマは、「ストレスチェック制度義務化対応セミナー」。様々な企業の担当者の方々約200名にご参加いただきました。

 

第一部の吉野氏の講演テーマは「~精神科産業医が語る~ストレスチェック制度の課題と対策」。職場のメンタルヘルス不全は年々、増加の一途をたどっており、企業にとっても看過できない大きな課題となっています。そこで、2015年12月より従業員数50名以上の事業者に対し、改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が義務化されました。定期的に労働者のストレス状況についての検査を行い、労働者の面たるヘルス不調を未然に防止することを目的とした取組です。

ストレスチェック制度とは、

〇ストレスチェックの実施

〇結果に基づく医師の面接指導

〇ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析(努力義務)

といった取り組みから成っているものです。

 

講演では、まずこのストレスチェック制度について、ストレスチェックから面接指導の実施への流れや、実施体制の整備について、その概要や注意点を解説しました。

 

吉野氏はこの取り組みを「厚労省が1次予防に乗り出した」と、評価しつつも、「厚労省が推奨する57項目の『職業性ストレス簡易調査票』には、『非常にたくさんの仕事をしなければならない』『一生懸命働かなければならない』といった項目がある。しかし、必ずしも多くの仕事を抱え、一生懸命働かなければならない状況が、全ての人にとってストレスとなるのだろうか?業績も好調で、活気のある職場では、こうした状況であっても、それをストレスには感じないのではないか?」と、ストレスチェック調査におけるストレスに対する考え方、捉え方について疑問を呈しました。

また、「ストレスチェックの結果は受検者の同意がなければ、事業者に提供することは禁止されており、本人からの申し出があった時のみ、医師による面接指導を行う、ということになっている。しかし、実施後の対応をきちんと整えていなければ、チェック結果は活用されず、予防的な意味をなさない可能性もある」と、ストレスチェック実施後の対応についても懸念を示しました。

そして「そもそも、ストレスチェックを会社内でどう位置付けるか。メンタルヘルス対策はコストか?投資か?職場のストレス低減策は仕事の負担を減らすことだけなのか?といったことについて、しっかりと考えてからどのように導入を考えるべきだ」と話しました。

 

吉野氏は、ストレスは必ずしも悪いものではなく、適度なストレスはパフォーマンスを高めると指摘。「メンタルヘルス対策を単なるコンプライアンスやリスク管理の一環と捉えるのでなく、働きがい、頑張りがいのある職場づくり、人材育成の一環と捉えるべきだ」と、ストレスチェックの目的を単にストレスを減らす方向だけでなく、悪いストレスを良いストレスに変換し、生産性の高い職場づくりに活用すべき、という考えを示しました。

 

また、仕事上のストレス要因の出現を緩和する要因として「達成感」と「裁量度」が関わっているという吉野氏自身の研究知見を紹介し、「人は努力をして報われない時にストレスを感じるもの」であり、ストレス反応は「できごとをどのように感じるか、捉えるか」によって変わりうる主観的なものであるという見解を示しました。そして、「メンタルヘルス問題に対する根本的な対応は、ストレスを前向きに考えることができる人材育成と組織風土づくりであり、ストレスチェック制度も、ぜひ、そうした方向で活用されるべきだ」と結びました。

 

第二部では、人材開発編集部の永田正樹部長が「ストレスチェック制度対応 D-WAT(Diamond support of Work AcTively)のご案内~ストレスチェックの実効確保のために~」というテーマで講演。

ダイヤモンド社では、「働く人々が活き活きと働く(Work Actively)を支援する」ことをコンセプトに、企業のメンタルヘルス対策のサポートを行っています。「ストレスチェック制度対策も、単なるメンタルヘルス発症予防と捉えるのではなく、働く人が活き活きと働けるようにする投資(人材開発による生産性の向上)と捉えるべきである」と、基本的な考え方を示しました。

 

そして、活き活きと働くためのメンタルヘルス対策には、「できごとをどのように感じるか、捉えるか」=「ストレス耐性」の開発が不可欠であると話し、原因別ストレス耐性(対人ストレス耐性、対課題ストレス耐性、対役割ストレス耐性、対環境ストレス耐性)や、ストレス対処資質(自己効力、タフマインド、思考のコントロール、感情のコントロール、サポート活用力)について説明。

ストレスチェックと共に、こうしたストレス耐性やストレス対処資質の傾向を診断する「ストレス耐性診断」を活用することで、よりメンタル不全予防に有効なフィードバック情報を提供することができ、さらに経験豊富な精神科産業医と連携することにより、実効性の高い面接指導が可能になると話しました。

 

ダイヤモンド社では、今後、「ストレスチェック」と「ストレス耐性診断」、さらに、新宿ゲートウェイクリニックとの提携により「質の高い産業医からのノウハウの提供」を受けられる、ストレスチェック制度対応パッケージ「D-WAT」を提供していきます。「D-WAT」には、職場診断やストレスマネジメント研修といったオプションメニューも用意し、職場の様々なニーズに応えて行く予定です。

 

ぜひ、貴社の社員のメンタル対策にストレスチェック制度対応パッケージD-WATをご活用ください。