6月13日、秋葉原UDXで開かれた「HRサミット2012」にて、神戸大学経営学研究科 松尾睦先生が講演を行いました。300名は入る大会場でしたが、満員御礼。「経験学習」についての関心の高さがうかがえます。

 講演内容は、「経験から学ぶ力はどこから生まれるのか?」。昨年、ダイヤモンド社から出版された『職場が生きる、人が育つ「経験学習」入門』(松尾睦・著)の内容をベースに経験から学ぶ力についてお話いただきました。ここでは、公演内容から特別に「経験から学ぶ力について」と、「経験から学ぶ力を高めるOJTについて」少しだけお伝えします!

「経験から学ぶ力」とは
先行研究によると、大人の学びは…
7(仕事経験からの学び):2(他者からの学び):1(研修・書籍からの学び)

という割合で、仕事経験から学ぶことが圧倒的に多いと言われています。しかし、同じ経験をしても、成長する人と、成長しない人がいて、その差は年々開いてきます。松尾先生の調査によると、全マネジャーの中で優れたマネジャーは約5割、担当者レベル全体では、優れた担当者(中堅、熟達者)の比率は4割程度だそうです。企業の力を底上げするには、特に数が多い中堅のマネジャー層と中堅社員層の成長が鍵となります。

松尾先生は、「経験から学ぶ力」を、ストレッチ(挑戦する力)、リフレクション(振り返る力)、エンジョイメント(楽しむ力)の3つであると、定義していますが、この「経験から学ぶ力」が生まれるベースには、「自分の能力を高めたい」、「他者や社会に貢献したい」といった「思い」や人と人との「つながり」であると話します。

  「経験から学ぶ力」についてより詳しくお知りになりたい方は、ぜひ、松尾先生のご著書『職場が生きる人が育つ「経験学習」入門』を、お読みください。

OJTで「経験から学ぶ力」を高める
では、この「経験から学ぶ力」を高めるOJTとは、どのようなものでしょうか。

かのドラッカーは「他人の育成を手がけないかぎり、自分の能力を向上させることはできない。マネジャーが自分への要求水準を高めるのは、他者の能力を開発しようという努力をとおしてなのである」と、その著書に記しています。

 松尾先生はダイヤモンド社のOJT診断システムDLL開発にあたり、教え上手のOJT担当者を調査、その指導方法を解明しました。その調査によると、
・挑戦課題(ストレッチした目標)を設定する
・進捗確認や相談をこまめに行う
・内省(リフレクション)を促す
・ポジティブなフィードバックを返す(エンジョイメント)
といった指導法を行っていたそうです。

 ちなみに、「若手をダメにする指導法」は
・1年目社員については、目標のストレッチと、ポジティブフィードバックが不足…「放置型」
・2-5年目社員については、目標のストレッチが過剰…「スパルタ型」 
だそうです。

 こうした調査を元に作られたOJTの実態を「見える化」するツールOJT診断システムDLLは、現場でのOJT改善に効果的なツール。若手の育成に問題を抱える職場で、ぜひ活用してほしい、とのことでした。

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松尾先生の講演終了後は、ダイヤモンド社人材開発編集部 副編集長 間杉俊彦による「モバイル機器 を使った研修プログラムの可能性」と題する講演が行われました。
   講演では、内定者フォローツール「フレッシャーズ・コース」をスマートフォン(iPhone/アンドロイド)、PCで読むことができる「フレッシャーズ・コース モバイル版」をご紹介。

フレッシャーズ・コース モバイル版」の最大の特長は、動画コンテンツを見ることができること。著名人のインタビューやビジネスマナーなど、動画を見ながら楽しんで学ぶことができます。

また、管理者画面を通して、内定者が教材を進めているかどうかの進捗管理ができるほか、オプショナルの「C-Learning」を使うことで、双方向コミュニケーションができることもポイント。「フレッシャーズ・コース」の特長である各巻の内容についての設問に回答し、人事担当者とやり取りするコミュニケーション・ペーパーのやり取りをすることができます。

「フレッシャーズ・コース モバイル版」は、「フレッシャーズ・コース」のいいところと、モバイル版ならではの機能がミックスした全く新しい内定者フォロー。ぜひ体験してください。