1月28日、青山・石山記念ホールにて神戸大学経営学研究科 松尾睦先生による「経験学習実践塾」(通称:松尾塾)の第一回が行われました。「経験学習実践塾」は、2012年HRアワードを受賞した『職場が生きる人が育つ「経験学習入門」』(ダイヤモンド社)の著者であり、経験学習研究の第一人者である松尾先生から直接「経験学習」理論に関する知見を学び、自社の課題に即した経験学習実践をプランニングし導入、課題解決を図ることを目指すアクションラーニング型の講座です。

 「経験学習」を導入することで、自社の課題を解決したい、とご参加いただいたのは、メーカー、情報通信会社など企業7社12名の人事育成担当者の方々です。2ヵ月間、3回にわたる講座ということで、まずは一人一人自己紹介から。参加者の方々の課題は、「人材育成が疎かになっているのだが、どこから手をつければいいのかわからない」「育成施策に関連部署をまきこみたい」「現場のOJTに手をつけたい」など、さまざまでしたが、どの企業でも人材育成が大きな課題となっていることがわかります。

今回は初回ということで、まずは松尾先生による「経験学習」についての講義から。講義では、「経験学習」理論やそれに関わるさまざまな研究成果について、詳しい解説を聞いたうえで、ワークシートや参加者同士の対話を行うので、理解が進みます。

 

 後半はWDBホールディングス株式会社専務取締役の大塚美樹さんによる事例発表です。WDBホールディングスは、研究所などに理学系研究職の派遣を行う派遣会社。専門性の高い人材の派遣会社ではあるのですが、派遣先正社員の研究サポートのためのデータ収集など、与えられた作業を毎日淡々とこなすようなルーチン仕事を与えられることが多く、難しくチャレンジングな仕事を与えられることは少ないといいます。また、派遣先から、注意や指摘を受けることが少なく、また自ら計画、調整、段取りする機会もほとんどないため、派遣社員が仕事経験から学び、成長することができないという課題がありました。そこで、派遣社員の能力向上を図ろうと、WDBユニバーシティを立ち上げ、そのなかで、少なく薄い経験のなかからでも「成長機会」を得られるようにすることはできないかと、「経験学習型アクションラーニング研修」を行ったそうです。

「経験学習」を現場に取り入れることで、どのような変化があったのか、参加者は事例を基にグループでディスカッションすることで、理解を深め、「経験学習」を実践に活かすためのヒントが得られたようです。

 最後は各自、自社でどのようなアクションを起こすのか、それぞれこの実践塾におけるゴールを発表しました。新入社員や新人トレーナー向けの研修導入や、全社的な経験学習マネジメントの仕組み構築など、ゴールはさまざまでしたが、どのアクションプランもチャレンジングなものばかりで、この講座にかける思いが伝わってきました。それぞれの取り組みについては、松尾先生から細かい指摘、アドバイスを受けました。

講座終了後のネットワークパーティでは、ビールやソフトドリンクの他に、芋、麦からトマト、昆布など変わり種の焼酎をずらりと並べた「焼酎バー」でおもてなし。参加者同士、グラスを片手に、軽食をつまみながら談笑し、人材育成について情報交換したり、互いのアクションプランについて話しあったり、疑問点を松尾先生に質問したり、と楽しい会となりました。

参加者は1ヵ月後の第2回に向けて、アクションプランを実践していきます。次回、どんな成果が見られるでしょうか。

下記に参加者の声をお届けします。
 ●各社のゴールイメージに対する松尾先生のコンサルが経験学習との結びつきに焦点があてられていて参考になりました。
●机上の学習ではなく、実践に落とし込み、回していく内容でしたので、今後への期待が持てます。
●本質的なところがかなり指摘されていて、研修のあり方について考案する材料も多かったと思います。
●業種など、参加者の属性がばらばらなのは、個人的にはありがたく、いろいろな気づきが今後も得られそうな気がしています。
●情報だけでなくつながりを得られる機会になりそうです。