5月某日、「久保田」「越州」「朝日山」などで知られる新潟県長岡の酒造メーカー、朝日酒造株式会社を訪ねました。のどかな田園風景の先に見えてきたのは、2006年に竣工したというコンサートホールのような新社屋。周りには、醸造工場をはじめ精米工場や貯蔵庫など大きな建屋が何棟も建っています。
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 朝日酒造では、内定期間中だけでなく、新入社員教育にも内定者フォローツール『フレッシャーズ・コース』や『ビジネス文章力・トレーニングコース』をフル活用してくださっているとのこと。採用・教育研修を行っている管理部次長の平澤英隆氏に、これらの教材をどのように活用しているかを伺ってきました。

『フレッシャーズ・コース』の活用事例については、後日WEBの活用事例ページで詳しくご紹介する予定です。ここでは、同社の新入社員研修についてご紹介したいと思います。

「当社では毎年、大卒、高卒合わせて5名程度の新入社員を採用しています。新入社員には『早く朝日酒造に慣れる』『社会人としての基本姿勢、職場における基本動作を体得する』『ビジネスの基礎知識を身につける』ことを目的として、入社後3ヵ月間、びっしりと新入社員研修を行っています」(平澤氏)

その3ヵ月に渡る新入社員研修の内容は、とてもユニーク。入社式直後の社長の講義から始まり、その後、禅寺修行、社内の各現場での研修、社会人としてのマナーやビジネススキルはもちろんのこと、農業実習や系列会社の飲食店での接客実習、さらにはマラソン、登山、茶道、華道、書道などの社内のクラブ活動への体験入部など、実にさまざまなプログラムが組まれています。

「禅寺での研修は、学校生活から社会人生活への切り替えにとても有効なんです。お寺で規則正しい生活を送ることで、気持ちが引き締まり学生から社会人としてのけじめと覚悟ができます。農業実習では、清酒の原料となる米がどのように作られているかが理解できますし、居酒屋でのホールスタッフとしての実習では、われわれのお酒がどのように飲まれているのかを知ることができます。また、酒というのは、日本の文化・伝統と共にあるものですから、茶道など、日本文化への理解は欠かせません。そして、最後は体力が勝負でもありますからね(笑)。というわけで、会社について、製品について深く理解してもらえるよう、頭と体を使うさまざまなプログラムを用意しているのです」

  ビジネスに関する知識、スキルについての研修も充実しています。ビジネスマナー、ビジネス文章力、ロジカルシンキング、財務会計、マーケティング、PDCAなどについて、『フレッシャーズ・コース』で学んだ内容を完全に理解することを目指しているとのこと。しかも、これらの内容を座学で学ぶだけでなく、実践で学べるように工夫されているところがポイントです。

「マナー研修で電話応対を学んだら、翌日は実習として実際に代表電話を取ってもらいますし、議事録の書き方を学んだ後は、社内の本物の打ち合わせに入り、議事録作成をやってもらいます。名刺交換をはじめとするビジネスマナーや商品知識の研修を受講した後には実際に営業と一緒に得意先を回ったり、関連会社の飲食店でホールスタッフとして働きながらマナーや接客を実体験するのです。私は、入社後必要な力、社会人基礎力というのは、結局のところ『書く力、聴く力、読む力、話す力』の4つで構成されており、それらはすべて『考える力』につながっていると考えています。ですので、座学で聞いたり、読んだりした後はすぐに実践に移してもらえるようにしています。また、研修中は毎日、研修報告書を書かせますし、3分間プレゼンなどで発表する機会も頻繁に設けています」

 最後は、研修の集大成として、さまざまな部署に取材をし、そこではどんな仕事をしているか、部署間がどんな形でつながりを持っているのか、といったことをグループごとにまとめて発表するグループ研修を行うそうです。

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 天保元年(1830年)から続く伝統を受け継ぐ人材は、こだわりの詰まった新入社員研修によって、しっかりと育まれていました。

平澤さん、お忙しい中、取材にご協力いただき、どうもありがとうございました。