2017年11月27日

『よりよい職場をつくる』組織開発を考えるセミナーを開催

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11月21日(火)、トラストシティカンファレンス・丸の内にて、『よりよい職場をつくる』組織開発を考えるセミナーが開催された。これは「TLR職場活性化サポートシステム」の発売を記念し、監修者である中村和彦・南山大学人文学部心理人間学科教授 人間関係研究センターセンター長の講演と、株式会社オージス総研に組織開発の事例発表をしていただいたもので、企業の人事・人材育成担当者約100名が出席した。

 

第1部:「組織開発とはなにか/診断型組織開発の手法」

企業組織に「働きかた改革」が迫られ、一方では職場でのコミュニケーションの活性化が課題となるなかで注目されているのが組織開発である。とはいえ、その考え方が必ずしも正確に理解されているとは言えず、なかなか実践に移せないでいる企業は多い。

中村氏は、ウォリックの言葉を引きながら、組織開発とは「組織の健全性、効果性、自己革新力を高めるために、組織を理解し、発達させ、変革していく、計画的で協働的なプロセスである」と定義づける。具体的な手法には、さまざまなものがあるが、決して単一の手法を指すものではない。

大事なことは目に見える課題=コンテントよりも、それを仮に氷山と見立てるならば、水面下にあって見えないプロセス、つまり組織、グループ、人間関係の内部で起きている感情や関係性、風土などを理解することである。

組織の課題は、多くの場合コンテント=whatに注目が集まるが、組織開発では目が届きにくいプロセス=howが重要である、と中村氏は指摘し、次のような例を示した。

営業会議の場で部長が「目標達成まで○円足りない。ちゃんと新規開拓しているか?」と問いかける。それを聞いたメンバーたちは「ハイ!頑張ります!」と答えはするが、本音では「部長は数字のことしか言わないな。この人のために頑張ろうとは思えない……」と感じているかもしれない(多くの場合、そう感じるはずだ)。この本音の部分が水面下にあるプロセスであり、ここを明るみに出して働きかけをしないかぎり、what部分の課題解決は果たせない。

職場をよくする取り組みには大きく二つある。一つは組織構造を変えたり、制度を導入するような、いわば外科手術にも似たハードなやり方。もう一つは漢方にも似た体質改善で、組織開発はこれにあたる。職場の当事者が自らの職場の体質(職場のなかで起こっているプロセス)に気づき、継続的に働きかけていくというやり方だ。

体質改善を支援するやり方には、3つのモードがある。「専門家モデル」「医師—患者モデル」「プロセス・コンサルテーション・モデル」の3つである。

「専門家モデル」は、クライアントが必要としている解決方法を示すが、真に求めるものをクライアントがわかっていない、という問題がある。

「医師—患者モデル」は、医師がデータを集めてクライアントの状態を知るという特徴があるが、クライアント側に内発的動機がないため、変革につながらないという欠点がある。

これらに対して「プロセス・コンサルテーション・モデル」はクライアントが自ら課題を発見し、打ち手を考えるという特徴がある。組織開発は、この「プロセス・コンサルテーション・モデル」で進めることが望ましい。

診断型組織開発は、職場の現状をアセスメントによって分析し、結果をメンバーにフィードバックして、自ら計画したアクションを実行していく、というのが基本的な手順となる。

(今回、ダイヤモンド社が開発した「TLR職場活性化サポートシステム」は、この職場の現状を把握するためのツールである)

このような解説の後、セミナーでは、中村氏がファシリテーターとなって、ある会社で実施したTLRを用いた職場活性ミーティングの動画を流した。職場の現状をメンバーがどのようにとらえているか、メンバー同士の対話が重要である、と中村氏は指摘し、さらに対話というイベントは変革に向けたきっかけであり、関係性の維持・発達が大切だと述べ、第1部を締めくくった。

 

第2部:アジャイル改善塾事例紹介

第2部では、大阪ガスの100%子会社で、システム開発やコンサルティングを手掛けるオージス総研による組織文化の改革事例が紹介された。

「アジャイル改善塾」と名付けられた同社の組織開発の特徴は、目標設定や振り返り、効果測定など、一連のプロセスを徹底的に「見える化」するところにある。それは「見えないものは改善できない」からだ。

塾の受講者はマネジャーとリーダークラスで、講義やワークショップを体験すると、それを各職場に持ち帰り、メンバーを巻き込んで実践するというサイクルを繰り返す。

具体的な実践に取り組む前に、最初のステップをチームビルディングだけに費やすことも特徴だ。これはダニエル・キム(MIT教授)の「成功循環モデル」でいう「結果の質」からスタートするのではなく、「関係の質」、すなわち「見えない部分」からスタートし、メンバー間の信頼感を醸成し、一緒に考えることが「結果の質」を高めることにつながるという考えによる。

これは、第1部で中村教授が解説した「プロセス」を重視する姿勢であり、オージス総研の取り組みは、まさに組織開発の好例であるといえる。

 

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