アンコンシャスバイアスとは「無意識の偏見や思い込み」のことです。私たちは知らず知らずのうちに、他者を性別・年齢・国籍などのカテゴリで括って、偏った認識やイメージを持ってしまっています。そして、それらはときに私たちの言動や意思決定に表れて、相手を傷つけたり、不快にさせたりしてしまうことがあります。
特に、ひとに対して影響力を行使しなくてはならない管理職やリーダーの場合、アンコンシャスバイアスと「うまくつきあう方法」や、それが「ついつい悪さをしてしまう場面」を意識しなくてはなりません。この研修では、多様な人材が活躍し、成果を出せる職場をつくるために、アンコンシャスバイアスの対処法を学んでいただきます。
アンコンシャスバイアスとは何か? 管理職・リーダーが陥りがちな落とし穴とは? どのように対処すればよいのか? といった疑問に関して、両教授が学術的かつ実践的な観点から解説します。重要なポイントをしっかり理解したうえで、研修内での個人ワークおよびグループワークに取り組むことによって、自らのアンコンシャスバイアスやマネジメント行動に関する気づきを促し、明日からの行動変容のためのヒントを得ることができます。
社会人の方々から寄せられた「アンコンシャスバイアスにまつわる体験談」をもとに、舞台俳優が演じるシチュエーション動画を作成。研修では、動画内で気になった行動や発言について、グループでの共有・意見交換を行います。豊富な具体例を通して、日常的な何気ない会話やマネジメント行動の中に、実はさまざまなステレオタイプや偏見が潜んでいることに気づくとともに、自分自身の行動や考え方の癖を振り返ることができます。
社内ファシリテーターによる実施を想定し、事前・事後の学習コンテンツを含めて、研修に用いる資料や動画をまとめて提供いたします。ファシリテーター向けのマニュアルや見本動画を用意しておりますので、ファシリテーター養成の手間や負担を軽減することが可能です。導入期間中はいつでも何度でも研修を実施いただけるほか、各社の状況や課題に合わせて、内容やプログラムを自由にカスタマイズしていただくことができます。
立教大学 経営学部 教授
立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。博士(人間科学)。1998年東京大学教育学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で学び、米マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学准教授などを経て現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、組織開発を研究している。著書に『組織開発の 探究』(共著、HRアワード2019書籍部門・最優秀賞受賞)、『研修開発入門』(共にダイヤモンド社)、『職場学習論』、『経営学習論』(共に東京大学出版会)、『サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」 で職場を変える技術』(PHP研究所)ほか多数。
武蔵野大学 グローバル学部 教授
武蔵野大学グローバル学部教授。専門は、日本語教育、異文化間教育、学習環境デザイン。博士(学際情報学)。1989年お茶の水女子大学文教育学部卒業。日本アイ・ビー・エムでシステムエンジニアとして勤務後、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科にて日本語教育を専攻。97年から2012年まで独立行政法人国際交流基金で海外の日本語教育に従事し、『JF日本語教育スタンダード』の開発を担当。08 年より東京大学大学院情報学環学際情報学府文化・人間情報学コース博士課程で、元留学生外国人社員の日本企業における組織社会化の研究に取り組む。現在は、厚生労働省委託事業「就労場面で必要な日本語能力の目標設定ツール開発」(令和2年度)調査研究会座長、文化庁日本語教育小委員会委員(令和3年度~)など、国内の外国人材受け入れのための基盤整備に広く関わっている。
研修名 | アンコンシャスバイアス研修 |
---|---|
目的 | ①自らが持つ「アンコンシャスバイアス」や身近に潜む「ステレオタイプ」に気づく ②「マネジメントの落とし穴」を理解して、対処するためのメソッドを獲得する ③誰もが活躍・成果を出せる職場をつくるため「明日のマネジメントの作戦」を立てる |
対象 | 管理職・マネジャー、リーダー層 |
実施 | 3時間(+40分程度の事前課題あり) |
教材 | 内製化支援パッケージ ①研修キット(投影資料、配布資料、ワークシート、実施マニュアルなど) ②解説動画(中原淳教授・島田徳子教授によるポイントの解説) ③ファシリテーター見本動画 |
講師 | 社内ファシリテーター ※ダイヤモンド社公認ファシリテーターの派遣(有料)も承ります。 詳しくはダイヤモンド社あるいは営業担当者までお問い合わせください。 |
事前課題 | ①事前動画:アンコンシャスバイアスとは何か? ②アンコンシャスバイアステスト:ジェンダー・年齢・国籍のうちから選択 |
1.オープニング |
研修の目的とゴールを確認し、グループでのアイスブレイクを行います。 |
2.事前課題(動画+テスト)の振り返り |
事前動画とアンコンシャスバイアステストの感想をグループ共有します。 |
3.ステレオ地雷発見ワーク |
シチュエーション動画の中に隠れている「ステレオ地雷(思い込み)」を探すエクササイズです。グループでの意見交換を通して、知らず知らずのうちに持ってしまっているステレオタイプや偏見への気づきを促します。 |
4.マネジメントの落とし穴 |
中原淳教授の解説と事例を通して、管理職・リーダーとしては悪意なく、ときによかれと思って行う行動や意思決定に「落とし穴」が潜むことを学びます。実体験を共有することで、身近な事例への理解を深めます。 |
5.バイアスやステレオタイプに対処する |
アンコンシャスバイアスやステレオタイプに気づいたうえで、さらに重要なのは「どのように対処していけばよいのか」という点です。ここでは「3つのセルフチェック法」などの具体的かつ実践的な対処法を紹介します。 |
6.再発防止の作戦会議 |
私たちはどれだけ気をつけようと思っても、どうしても同じ失敗を繰り返してしまいがちです。自らの偏見や思い込みが出やすい場面とその際の対処法を明確にし、明日のマネジメントの改善・向上へとつなげます。 |