新入社員向け「プレゼン研修」に「フレッシャーズ・コース」を活用
朝日酒造では、内定者フォローツール『フレッシャーズ・コース』を、新入社員研修に活用しています。 そのうちの1つが「プレゼンテーション研修」というもので『フレッシャーズ・コース』のテキストにある「誌上講義」の内容をまとめて、プレゼンをするというものです。
そもそも、この研修を始めたのは、大卒と高卒の新入社員のギャップを埋めるためでした。当社は、「久保田」「越州」「朝日山」などで全国的に知られる酒造メーカーですが、新入社員は毎年大卒、高卒合わせて5名前後です。 毎年、大学生向けには内定者教育として『フレッシャーズ・コース』を利用しているのですが、1つ問題がありました。高校側からは「学業優先なので内定者教育は控えてほしい」という申し入れがあり、高卒の新入社員向けには内定者教育を行うことができなかったのです。
高卒といっても、大卒顔負けの優秀な方ばかりなので、新入社員研修は一緒に行います。そこで、大卒の新入社員に『フレッシャーズ・コース』の誌上講義の内容を、プレゼンしてもらう、ということを思いつきました。これは、高卒の新入社員だけでなく、プレゼンをする大卒の新入社員にとっても、内定期間中に学んだことを振り返り、知識を確かなものにするよい機会だと考えました。
というのも、私自身が「教えることで学ぶ」ことの効果を身に染みて体感しているからです。 当社では、新入社員たちには、早い時期にできる限り朝日酒造のことを知ってもらい、社会人としての基本、ビジネスの基本を身につけてもらいたい、と新入社員研修を3ヵ月に渡ってじっくりと行います。 ですが、新入社員の数も少ないですし私自身が講師となって行う研修がほとんど。教えるためには、うろ覚えではできませんので、まず自分がしっかりと理解する必要があります。 さまざまな研修用のプレゼン資料を作るうち、「これは一番成長するのは自分だ」と実感するようになったのです。 「教えることは学ぶことだ」と気づいた後は、研修内容もなるべく、理解したことをアウトプットさせるような研修を行うことを心がけています。
発表者には、「高卒の2人が理解できるわかりやすいプレゼンを心がけるように」と話していますが、なかなかうまくいかず、苦労するようです。 しかし、1回目のプレゼンで、他の人からフィードバックをもらうことで、2回目のプレゼンは、ぐっと良くなります。他の人の意見を聞くことや、他の人のプレゼンを見て良いところ悪いところを見つけることも、大切な学びの機会となります。
『フレッシャーズ・コース』は、内定者に知っておいてほしい内容がコンパクトにまとまっているところがいいですね。雑誌のような読みやすい構成も、気に入っているところです。 『フレッシャーズ・コース』は内定期間だけでなく、新入社員研修にもフル活用しています。7巻の「ビジネス・マナーブック」はマナー教育にも利用していますし、新入社員研修中、各自に「内定時期はこう過ごした!」 を書いてもらい、『フレッシャーズ・コース』の記事と同じようなレイアウトでオリジナル記事を作らせたりもしています。また、入社2年目に入ったところで、同期社員同士、お互いに取材をして「1年目の仕事」の記事を作ります。 きちんと写真も入れ、見出しもつけて本格的ですよ。そのまま『フレッシャーズ・コース』に転載していただいてもいいレベルです(笑)。
こうして、先輩たちが作った朝日酒造オリジナル版の「内定時期はこう過ごした」「1年目の仕事」の記事は、翌年の内定者へ『フレッシャーズ・コース』と一緒に送っています。 記事を書くことで、文章を書く力がつくのはもちろんのこと、自分自身の振り返りにもなります。また、内定者たちも、自分が入社する会社の先輩たちのことを知ることができ、一石二鳥です。
参加者:新入社員5名(大学院卒3名 高卒2名)
第1回 第2回「プレゼン演習」
プレゼンテーションの手法や注意点など、プレゼンテーションの基本について学ぶ研修を実施
第3回「プレゼン演習」(ビジネススキル養成講習1)
大卒、院卒の新入社員3名がそれぞれ、『フレッシャーズ・コース』1-3巻のテーマ「働くことの意味」「社会人としての常識力」「コミュニケーション」について、プレゼン資料を作成し、各30分間で発表。
第4回「プレゼン演習」(ビジネススキル養成講習2)
大卒、院卒の新入社員3名がそれぞれ、『フレッシャーズ・コース』4-6巻のテーマ「社会人としての自己管理」「働く技術-課題解決力-」「会社の仕組み・仕事の仕組み」 について、プレゼン資料を作成し、30分間で発表。
プレゼン後には、発表者以外は必ずプレゼン内容に関する質問を発表者に一人一回以上行なうことで傾聴力と質問力を鍛える。またプレゼンに対するフィードバックシートを書き込み、プレゼン終了後、発表者に渡す。プレゼン後は、全員でプレゼン内容に関してのディスカッションを行ったり、自由に感想を述べ合うことも。
内定期間に『フレッシャーズ・コース』を読んでいた時は、読んでいて「わかった」と思っていましたが、いざ説明しようとすると、なかなか説明できないので、改めて読み返したりするうち、理解が深まりました。
テーマについてまとめるのが難しかったです。ただ、プレゼンのためにテキストを読み返すと、改めて「こんなことが書いてあったんだ!」と発見も多かったです。
発表するのが難しいテーマもありましたが、後で他の人からのフィードバックをいただき、「こうすればよかった、他のやり方もあった」といったことに気づけたのが良かったです。
事前に、テキストを読んではいましたが、読むだけでは理解できなかったところも、プレゼンを聞くことで、よくわかりました。
読んでわからなかったところも、説明をしてもらえて理解が深まりました。