課題

「教えることが自分の成長につながる」と全社員が思える組織文化を作りたい

大手ゼネコン前田建設工業では、入社5年目までを基礎教育期間と位置づけ、彼らの成長を支援するためのOJTトレーナー制度を運用しています。しかし、トレーナーの教えることに対するモチベーション、教えるスキルはトレーナーによってバラバラで、社内に「育てる組織文化」が醸成されるまでには至っていないのが現状です。

対策

DLL(OJT診断)を活用し、教えるスキルを標準化する

同社では人が職場で成長するための基本を経験から学ぶことと考えています。人が経験から学ぶためには「具体的経験」を一度立ち止まって「振り返り」、 振り返りによって得た気づきから「持論化」し、経験から学んだことを「新しい状況に適応する」という4つのステップを踏む必要があります。 同社では若手社員にこのステップを踏み、経験から効果的に学ぶよう指導しています。そしてトレーナーの仕事はこのステップを若手社員が上手く踏めるように支援することと考えています。

上記のようなステップを踏み経験から学ぶことは、一般には「経験学習」と呼ばれています。 DLLがこの「経験学習」に基づき考案され、トレーナーが上記のステップが踏めるように指導できているかどうかを可視化するための診断であったことから、 DLLを活用した研修を実施することにしました。

経験学習サイクル

研修※では、DLLから導き出されたトレーナーの強み弱みを元に、トレーナーの成功エピソード・失敗エピソードを事前課題として提出してもらっています。 研修当日は、以下のワークが行われました。
※研修:毎年2月に開催/1日半研修/1クラス約30名/ワークショップ形式

  • 提出されたエピソードを元に、トレーナー同士で対話しグループ間で成功事例・失敗事例の共有
  • 性格診断(DPIテスト)を元にした、OJTトレーナーとしての自己理解を深めるワーク。
  • 前田建設のDNAを若手社員に伝えるためのワーク、DNA伝授法5か条をグループで作成。
  • 前田建設用に作成されたOJTに関する事例を利用したケーススタディ、OJT原則の理解。
  • 推進すべき指導方法・避けるべき指導方法5か条の決定
  • 研修の中で気づいたことを受講者ひとり一人発表。気づきの共有化を図る。
研修前~研修実施~研修後

効果

  1. 社内LAN上のOJTツールへの入力が以前より活発になった。
  2. 教えるスキルとしてのOJTのステップがトレーナー内で共有することができた。
  3. トレーナー同士の指導体験や悩みが共有でき、モチベーションアップにつながった。
  4. 自らの教え方にこだわっていたトレーナーに、教え方にも様々なバリエイションがあることを認識させることができた。
  5. トレーナー同士の対話を通じて「教えることが自分の成長につながる」「教えることも仕事である」ことの浸透ができた。

研修効果の測定

教えるスキルの全体的な上昇と標準化が実現できた

同社では、研修で提供された教えるスキルが、受講者の具体的なOJT行動に反映されているかどうかを検証するため、 半年後に研修を受講したトレーナーにDLLを再受検してもらいました。

結果、OJTトレーナーとして効果的なOJTを実施しているかどうかを示す指標である「総合判定」が偏差値49.0から53.4に上昇したのをはじめ、 DLLの診断項目である「目標設定」「計画立案」「計画の実行」「障害への対処」「評価」「学びの抽出」「次期目標の設定」 も概ね5ポイント前後の偏差値が上昇しました。

このことからOJTトレーナーのOJT行動の変化が確認できたので研修を今後も継続して実施し、経験学習に基づくOJT行動の普及と定着を図りたいと考えています。

OJTトレーナーの行動比較

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